あまり深く考えず、自分にとって刺しやすい方法でこぎん針を持っていましたが、ある動画を見て「あれれ???」と思ってしまいました。
こちらです。(音が出るのでご注意ください。)
これは青森県が作成した、“
しごと力 Power Up コンテンツ”という青森県の仕事を紹介するHPの中の“こぎん刺し職人”を紹介する動画です。
弘前こぎん研究所が紹介されており、そこで働くこぎん職人さんのインタビューや実際の仕事ぶりを3分程度にまとめてあります。
機織→染め→裁断→刺し→仕上げと進む中で、実際にこぎんを刺す手の動きに釘付けになりました。
私はずっと、長いこぎん針に刺し終わった生地がこれ以上貯められないというところまで一気に刺して、縫ったところをしごいてまた次に進む・・・というやり方をしていましたが、この動画を見る限り、少し進んでは巧みに指で生地をずらしてまた刺す・・・というやり方をしています。
しかも私の針の持ち方はすごく変!
親指と人差し指で針先をつまむように持って刺し進んでいたので、こぎん刺しには必要といわているお皿のような形をした指貫は使ったことがなかったのです。
動画の通りの刺し方をすると確かにあの指貫がないと中指の付け根に針の頭が刺さってかなり痛いです。
刺しやすいやり方をすればそれでいいのでは??と思いがちですが、キルティングがそうであるように、正しいやり方をしっかり身につけないと仕上がりに雲泥の差が出るように思います。
それにしてもこの動画に出てくる仕事内容は本当に魅力的!
青森に住んでいたら絶対に押しかけて弟子にしてもらいたい!と思ったことでしょう。
現在弘前こぎん研究所で働く方(刺手の方)は30人ほどということですが、昭和49年当時で内職の刺子さんは百数十名いらしたようです。
弘前こぎん研究所では当時安定的な刺手の養成のため、毎月定期的にこぎん刺し技術教習会を開いていたとのこと。
教習会は毎回2日にわたって行われていたようで、初日には数種類の基礎模様を刺しあげて、方眼図形の読み方、こぎん材料の理解などが主眼となり、二日目は小物の生地を刺し、製品と方眼図形の両方を見ながら仕上がりの状態を頭において刺す位置の決め方、模様の構成、糸の引き具合など、こぎん模様の理解だけでなくこぎん刺しの要領についてそのポイントを修得するシステムになっていたようです。(横島直道著
津軽こぎん より)
なんと魅力的な講習会でしょう・・・
今でも開催しているなら、是非参加してみたいものです。
この“
しごと力 Power Up コンテンツ”にはこぎん刺し職人の他にも南部裂織職人や和服仕立職人など、魅力的な職業紹介がたくさんされています。
手仕事が大好きな方は、是非一度ご覧になってみてください。