先日古書店で見つけた刺繍の本。
手芸・メキシコの図案
木村鞠子
昭和40年7月25日発行 三和図書
メキシコの図案と聞けばやはりサボテンとかソンブレロを想像しますが、もちろんそういうものも載っています。
この本を購入した時は、メキシコに古くから伝わる伝統的なステッチが載っているのかと思いましたが、後ろの説明文を読むとどうもそうでもなさそうです。
もちろんメキシコの人々が刺している刺繍を参考にしてはいるようですが、メキシコを旅行した時の印象などを図案にした作者のアレンジが多いようです。
手法としてはクロスステッチあり、チェーンステッチなどのフリーステッチあり、こぎん刺しそっくりのカウントステッチあり・・・と言った感じ。
カウントステッチ大好きな私としてはやはりこぎん刺しそっくりな刺繍が気になります。
このこぎん刺しに良く似た刺繍は『スイング刺繍』と呼ばれるものらしく、薄手のものはコングレスに、厚手のざっくりした感じのものは当時販売されていたスイングクロスという生地を使用しています。
手芸カード・13
だれにでもアピールする スイング刺繍
昭和38年8月発行 日本ヴォーグ社
このスイング刺繍、驚くほどこぎん刺しに似ています。
スイングクロスと言うのは、かなり粗めに織られたしっかりめのレース地と言った感じのもののようです。
この生地の目を拾いながら毛糸のような太めの糸でざっくり刺し、ストールやマフラーやひざ掛けなどを作っていたようです。
昭和30年代後半には、こぎん刺しを始めスウェーデン刺繍やスーダン刺繍などのカウントステッチが流行していたようですね・・・
今ではほとんど刺すことがなくなってしまったこれらのカウントステッチですが、なんともレトロで魅力的です。
ステッチや図案は単純なものなので、専用の生地さえ手に入れば誰にでもすぐに刺すことができそうです。