手芸の世界にも栄枯盛衰はあるようで、先日こちらに書いたスウェーデン刺繍(スエーデン刺繍)なども昭和30年代から40年代にかけてかなりの数の出版物が出ていたようですが、現在手に入りやすい本は日本では1冊だけとなってしまいました。
それでもインターネットや古本屋さんで探せば比較的容易に絶版になった本を手に入れることができます。
アメリカでは『Huck Embroidery(ハック エンブロイダリー)』と呼ばれ今でも行われおり、こちらは今でも数冊の本が出ています。
スウェーデン刺繍は材料も難なく手に入るし、いつでも始めることができます。
しかし、中には全く行われなくなってしまったものもあります。
そのひとつが『コッポ編』です。
昭和28年に発行されたものです。
創案者がコッポさんという方のようで、テネリフレースにようにかぎ針を使わず、台紙通りにピンを刺して、糸を渡しその隙間をステッチで埋めるように模様をつくる固定した枠編みの一種です。
この本の中にはかなりの数の模様編みの編み方が載っています。
色糸を使えば、ひまわりやコスモス、その他たくさんの種類のお花のモチーフが編めます。
出来上がったモチーフを繋げてショールにしたり、生地にはりつけてクッションやバッグに仕立てたり、応用範囲は広いようです。
中心に糸が寄らないように編むこともできるようですので、白いレース糸で編めば繊細な感じにも仕上がります。
「今まで見たことのない美事なあみものが泉の如く湧きいづる!」というセリフが泣けます・・・
現在クロバーから販売されている『花あみルーム』を複雑にした感じ・・・でしょうか。
丸型だけではなく、角型、菱形、葉っぱの形など、いろいろな形に編むことができるようです。
私も是非このコッポ編みにチャレンジしてみたいと思うのですが、コッポ編みにはコッポクッションという編み台が必要で、私はこのコッポクッションを持っていないのです・・・
コッポクッションとは、斉藤光歩先生という方が創案されたコッポ編みのための編器で、直径15cm弱のブルーのお饅頭のような形をしています。
お饅頭には小さな穴が放射線状にたくさんあいていて、そこにピンを刺して相対に糸を渡して編んでいくのです。
今でも充分かわいいと思えるし、始めてみたいと思われる方も多いと思いますが、編み針と糸さえあればすぐに始められるものと違い、専用の編台がないと始められないという難点があります。
なんとかしてコッポクッションを手に入れて、このかわいらしい編み物にチャレンジしてみたいと思っています。
コッポクッションについての情報をお持ちの方、是非ご一報ください!